富山市様の依頼で「ドローンを使用したカラスの追い払い実証実験」を実施しました。
実験エリアは全国的に有名な梨の特産地である富山市の呉羽丘陵。
現地では毎年カラスの食害に遭っており、その被害は年々増加傾向にあり、前年の呉羽梨の被害は205トン、金額にして5,604万円にのぼるとのこと。
※富山県議会農林水産委員会 平成29年6月6日会議録参照
これまで梨農家の方々は、スピーカーや爆音機の大きな音でカラスを追い払ったり畑にワイヤーを張ってカラスが寄り付けないようにするなど様々な対策を実施したものの、期待したような効果が得られず苦戦を強いられている状況。
そこで、ドローンを使ったカラスの追い払いが、新たな対策として有効であるかどうかを確かめることを目的とした実証実験を実施する運びとなりました。
200メートル四方の梨畑2つを対象エリアに定め、360度カメラで梨畑を定点観測。
ドローンを飛行させた畑と、そうでない畑とで出現するカラスの数を比較したり、機体に積載したスピーカーから、猛禽類の鳴き声を流し、威嚇しながら飛行させるなど、いくつかの試みを実行し、データ収集を行いました。
正確な実験結果については現在分析中のため、あくまでも実施スタッフの体感となりますが、 実験後半になるほどカラスの出現数が減少していったようです。
また、カラスは人がいなくなったところを見計らい、梨畑に張られた網をくぐって侵入、梨を食い荒らしていることが360度カメラの定点観測映像から確認することができました。
実証実験開始時には富山新聞様や北日本放送様が取材に駆けつけ、夕方のニュースで5分ほどの特集を放映していただきました。近所の梨農家の方々からも、スタッフにあたたかいお声掛けをくださり本実験に対する期待度が高いことを、身をもって感じました。